2014年10月2日木曜日

Antes que anonchezca (解体10日前の家で)

やってきました、ばーちゃんとのコラボ。
もう、解体10日までだというのに、この「いつもどおり」な感じ。
それを無理やり味わいにきたわけだけど・・・。

前回話をした、客用ふとんをくるんであった、綿銘仙のような生地に
もう一枚縫い合わせてある丈夫なふろしき。

色々補修が入ったものだったのはお見せしたとおり。

こんな感じ。



空家であるから、誰も来ないし誰かが居るとも思われていないのをいいことに、
がっつりと製作活動に集中。

古い家屋なもので、コンセントらしきものは右側の柱にあるものひとつだけ。
常時タコ足と延長コード使用です。

「万年床」ではなく「2.5日床」程度の敷きっぱななしであります。
次に来る予定の身内用に、日向に干しつつ使用。





さて、東京の自宅にて必要な部分は裁って持ってきた。
あとは縫うだけ!!!

着物生地だからね。
今回は全て手縫いで。

縫い方は、既に勝手知ったるサンプラ/MPLのクルーネックフレアードレスのパターン。
裾をデフォルト丈よりも10cmほど短くしてある。

解体前の家とのお別れ裁縫大会でもある。
土壁のヒビにも会えなくなるのである。
震度6強に耐えたのだから、最後までほめてあげる。おうちよ、きみはえらい。



2枚あった客用ふとんのもう一枚はほとんどソファー代わりに使う。

朝の10時ごろから縫い方はじめ、
「返し縫い」と「折伏せ縫い」を繰り返し、
2枚重なった生地をうまくツレないように、とか
ばーちゃんがそおっと縫い合わせた箇所がほつれそうになるのをカバーしながら、など
一回人の手が加わったものを形にしていくのも・・・た、たまには・・い、いいかも。

時々手を抜きたくなる気持ちになると、何でもビシッと仕上げていたばーちゃんの声が、
どこかからしてくる(ような気がする)のだった。
(もしかすると、横から見ていたかしら。)

時々、激しい充実感に襲われ、うわあ、縫い終わりたくなーい、と感じる瞬間あり。
ものすごく面白い小説を読んでいる時の気分にも似た感覚。
説明しがたいナニモノカとの一体感というか。

しかし滞在時間には限りがあり、ここを出たらやること満載。
ガス水道電気全てが通っているうちになんとかしなくちゃ。
10日後にはここにあるものは土に還っちゃうし。

Antes que anonchezca!!



夕方までには何とか完成。
廊下の突き当たりで、箒や高枝鋏たちと記念撮影。

夢中になりすぎ、昼飯を抜いてしまった。
さて、これを着て墓参りにでも行くかあ。
やはりばーちゃんには、見せて自慢しとかないといけない。

っつか、やはり手抜きを指摘されそうな気がしないでもない・・・夢枕に立つのはかんべん。